先日まで行われていた甲子園は、慶応高校が2連覇を狙う仙台育英を8対2で破り、107年ぶりの優勝ということで幕を閉じました。

僕も元野球少年でしたから、今年の優勝チームは一体どんなチームで、どういう方が指導されているのだろうと気になっていくつか記事を読んでみました。

https://toyokeizai.net/articles/-/381130?page=3

https://toyokeizai.net/articles/-/382408?page=3

https://number.bunshun.jp/articles/-/858527?page=1#goog_rewarded

非常に柔軟な思考をされ、長期的・教育的な目線を持って野球に携わっている監督さんのようです。また、チームとしての練習方針の決定の仕方や雰囲気も今までにない感じですごく面白い。

良いチームだし、野球をやっていた身としては羨ましい、僕もこういう建設的・効率的な環境で野球がしてみたかったなぁーと思ったのですが、関連記事を読んでいると、どうやら慶応が気にくわない方々も多数いるようです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/2e297da56b6a0000e446e8beb241c5e90a461885

ご意見なさっている方々は、旧来の高校野球界にはない斬新な取り組みをしてきた慶應高校が勝利し、古い指導法や精神論、勝利至上主義を否定されたようなのがえらく不満らしい。

何がそんなに不満なのか?

嫉妬もあるでしょうねぇ…髪型がどうとかいう話も、野球ややる気の有無と何ら関係ないですし。

それとも、昔ながらの威圧指導を否定されたくないからでしょうか?

練習時間は2時間ということに対しても、それに対して部外者が一体何の文句を言うんでしょうか…

まぁ、そういう旧時代の人間たちの哀れな僻み妬みにたいする疑問はさておき、こういうのを見て、特に練習時間を見て、勉強に置き換えてこう考える人もいるでしょう。

じゃあ、1日2時間の勉強でも効率よくやればかなり良い大学いけるんじゃね?!

…少し考えてみましょう。

そもそも論、「練習時間」は2時間ではない可能性が極めて高い。

慶應は確かに「全体」練習は2時間のようですが、まず間違いなく個人練習をやっているでしょう。これは、成績優秀者の「勉強してない」と同じ構造です。

いくら効率が良いとはいえ、1日2時間だけでは、並いる強豪を蹴散らして優勝することなどできません。これだけの練習では圧倒的に量が足りていないのは明らかです。

強豪と呼ばれるところはどこも効率良く、質の高い練習を十分量こなしています。ブログで述べた「正しい努力」をやってるわけです。でなければ強豪にはなれませんから。

彼らも当然そうでしょう。ただ、そのメインが「自主練習」なので可視化されていないだけです。

逆に言うと「2時間しか強制しなくても2時間分の練習がきちんと成立するくらい自主練習が出来てる人たちの集まり」ってことです。

全体で2時間の中でやれる練習というと、ノックや守備の連携の確認などが精一杯。素振りや、筋トレ、走り込みなどの基礎練習は「わざわざ全体練習中にやる必要がない」ということです。

プロ野球も全体練習の時間はおよそ2,3時間です。これは、プロレベルの意識の高さを高校生に求め、実際にそれができているってことです。だからこその全国レベルなんでしょうけど。

これは、学力的にも全国屈指レベルに賢く、生徒の自主・自立性を重んじる慶応高校だからこそできていることなのでしょう。環境を通じて「じりつ」と「しこう」の力がすでに身に付いているんでしょうね。

勉強面で既に上の力が磨かれているのに加え、慶応はこれといった校則は無く、かなり自由です。学業に関しても、補習などは無い代わり、成績がある一定水準に達しなければ留年となります。システムとしては殆ど大学と同じで、「自分で考え、行動しないといけない」「自由には責任が伴うので、やるべきことはしっかりとやらねばならない」ということを彼らは中学生の段階からそういう環境の中で実感しています。

よって当然「じりつ・しこう」の力はすでに十二分に身についてるわけですから、基礎練習なんか言われずとも自分達でしっかりとやれる。だから、全体での練習は2時間で良くなるんですね。勉強で言うと、こういう力がついている人には塾や学校の授業は殆どいらないわけです。

結局、最初に書いたような甘っちょろい考えは勿論間違っていて、勉強に置きかえて言えば、「成績優秀な人は『正しい努力』をしている。そして、『じりつ心・しこう力』が身に付いていれば、授業はほとんどいらず、自習中心でうまくいく」というのが正しい話です。

まずはじりつ心・しこう力を、普段の勉強を通じて身につけてください。そのための方法や意識すべきことは常日頃お伝えしていますよね。

それが身に付けば、色んなことがうまくいくようになりますから。

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小野桂史
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