この時期になると毎年毎年、受験生、特に現役生から「夏休みは一日何時間勉強すればいいですか?」という質問を頻繁に受けますが、僕はいつもこの質問をする意味が分からないんですよね…

え?十分な睡眠、しっかりした食事、入浴とか、健康維持に必要な時間以外は全部勉強するもんじゃないの?てか、何時間やれば合格するかじゃなくて、合格レベルに達するまで勉強するもんでしょ?じゃあ僕が「んー、1日2,3時間で良いんじゃない?☆彡」って言ったらほんとにその時間しかやんないの!?

…なんか、甘いというか、おバカ(失礼!)というか…ここまでくると、逆に面白くなっちゃうんですよね。

で、上のような言葉の数々をグッと堪えて、「何時間したら良いかは分からんけど、12 〜15時間勉強している受験生はゴロゴロおるやろね。まぁ当たり前か」という主旨の話をして、どんな反応するんだろうと思って見てると、大抵黙っちゃうんですよね。もうね、「何時間はサボれますか」という声が透けて聞こえてるんですよ。

あの、別に強制はしませんけど、少なくとも、現時点で志望大学の合格レベルに到達してなくて、それでいて夏の平均勉強時間が10時間いかなかったとしたら、不合格になる確率は飛躍的に上がることぐらい分からないんですかね??

まぁ、分かってるのかもしれませんが、そんな発言が出る時点でお察しですね。高3生とかの場合だと、もう個人的にいちいちそんな指摘はしまけんけど。

受験生期間の中で最も長く、最も平均勉強時間も多くなる夏休みにサボると、量の部分で開きが極めて大きくなります。そして、これはもう取り返せない。何故なら、受かるような受験生は全員須く長時間勉強するので、夏以降頑張っても全く差がつかないからです。

まぁ、こんなことちょっと考えれば分かりそうなもんですけどねぇ…

なので、そういう状態から第一志望に受かるためには、夏は可能な限り勉強することが合格のための絶対必要条件になるわけです。

とはいえ、ただ何となく量だけこなせばいいというものでもない。ただやれば成績が上がるというフェーズも勿論ありますが、上に行きたい人はそれだけでは上がらなくなるところがいずれ必ず来ます。この話も以前しましたね。

ここに書いてあるような力は勿論大事ですが、これに加えて、短期的であったり、中期的な目標を立てて、それを達成できるよう、具体的な計画を立てて勉強していくことも極めて重要です。

毎日の勉強に目的意識を持ち、その日のうちに何をできるようにして、実際に何ができるようになったのか、また、何がまだできていないのかということを分析する。

そうやって判明したできていないものを次勉強するときにはできるようにする。これを続けたらできないものってなくなりませんか?

そのためには明確な目標と計画を立てることなんです。

今の時期だと、中期的には夏休み明けにどうなっているか、というのが良いでしょうね。つまり、

①9月初めの理想の完成状態を言語化
②そこから逆算して1週間単位での目標を設定(具体化&数値化)
③それを30日で割ったものをやる

として勉強していくということです。逆算ですよね。各教科の各分野を、いつ迄に、どの程度出来るようにするのか。そこからの逆算して計画をするということです。

その際、何をどれだけやったのかという事は、自分を支える自信の形成には繋がりますが、それだけではどうにもなりません。

たとえ問題集を何周したとしても、何ページやっても、過去問を何年解いたとしても、「解いたこと」自体が自分を賢くするわけではありません。「解いたこと」自体が初見の入試問題を解ける状態を作るわけでもありません。問題を解くことを通して何を学び、何ができるようになったかという事こそが重要なのです。勉強をしたその1日で、1週間で、1か月で、何が出来るようになったか。そこの意識がないと伸びないという事です。そこを間違えないようにしましょうね。

もう一回言っときますけど、最低限の量(1日平均10時間以上)こなすのは合格のための絶対必要条件です。できなきゃ、その時点でアウトです。それに加えて、目標・計画性の伴った勉強ができると、確実に秋以降の伸びに繋げられます。

そこが一つの合否の分かれ目になるのは間違いありません。

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小野桂史
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