桂塾に通っている生徒さんというか、最近の学生さんの傾向ですが、質問の仕方が良くない生徒が増えてきています。

まず、白紙で持ってこない。

「ここが分かりません」ではなくて、言葉で表現すること。

どこまでは分かっていて、何がどのようにわからないのかを具体的に言語化して伝えること。

全部を聞こうとしないこと。

質問一つでその子が賢いかどうかがすぐにわかります。

今までどんな勉強をしてきたのかもわかります。

あと、まだまだ質問に来る回数が少ないですね。

非常に面白い傾向ですが、勉強が現状あまりできない人ほど質問をしません。

こういった、あまり成績がよくないのに質問は出ず、一見すると学習がスムーズに進んでいるように見える(問題をサーッと解いていたりする)子に対する懸念点は2つあります。

1つ目は、負荷のかからない学習をしているのではないかということ。

今の自分にとって易しすぎるものばかりやっているのではないかということです。

「負荷」というのは、もちろん頭への負荷のことです。自分の手と頭を動かし、多少なりとも悩んで考えて答えにたどり着くということです。

成績の芳しくない生徒さんは、往々にしてこの「負荷」を嫌います。

それゆえ、勉強をやるにしても、とにかく頭を使いたがりません。

そうなると、当然ながら成績が上がる見込みは薄くなります。

頭をほとんど使わずにできてしまうことというのは思考ではなく作業をしていることと同じことだからです。

こういったことがあるので、僕はスムーズに進んでいる状態を見たときは少し心配になるのです。

今の自分にとって少しレベルが高いものを探してチャレンジしてください。そのためには、自分の理解度を正確に測れている必要がありますよね?

それを分析ノートや目標計画ノートを活用して把握していくわけです。全部繋がっているんです。

2つ目は、「勉強」そのものをしていないのではないかということ。

丸つけをし、間違えてた問題を見つけてからが勉強の始まりです。

その前の問題を解くというプロセスは、上に述べたようにそこでも頭を使うことはできるのですが、大きな視点でみると、今の自分は何ができて、何が分かっていないのかを見つけるためのいわば「作業」にすぎません。

ただ問題を解いて、丸つけをして、次に行く、みたいな「勉強のフリ」をしているようでは賢くならないでしょうね。

解けなかった問題に対して、そもそも自分のやり方で解けるのか解けないのか。

解けるとすれば、なぜ自分は解けなかったのかを考える。

自分の理解が足りていなかったことは何か、何が分かっていれば解けたのか。

その上で時間をかけてもいいので自分の方法で最後までやってみる。

また、そのポイントを理解していれば他の同じ分野の問題に対しても通用するのか、類題も探したり聞いたりしてそれも試してみる。

自分のやり方で解けないのなら、なぜできない方法なのか、その理由を考えたり調べたりして分析ノートにまとめる。

自分のやり方で解けるか解けないかわからないときもあるでしょう。そのときはそれを人に質問する。

こうして間違いから教訓を引き出すのです。

また、丸つけをして、合っていた問題でも色々と深めることはできます。

例えば、数学など、問題を解くときに公式を用いることもあるでしょう。

その公式がそもそもなぜ成り立つのかということを考えたり、解答中で使っている何気ないフレーズや、問題文中に登場する言葉の定義を考えたり確認したり。

一つの問題を題材にして、そこから色々と寄り道をして自分の理解を確認するのです。

解けた問題であっても「分かっていたつもり」の事柄はないのか、色々と自分の理解を疑いながら物事を眺めてみるのです。

さらに、1つの視点から解答を書いたならば、その先の検討(他にどんな手段があり得たか、そしてなぜそれが思い浮かばなかったのか)まで考える。

こういうことをやっていれば、高々2,3時間の勉強では多くの問題を解くことはできないでしょう。逆にいうと、ポンポン進んでいる人はこういう深めることをしていないということです。

質問してくる学生たちは、勉強の本質が「わからないこと」を「わかるようにする」ということを理解しています。

なので、自分の躓くところを演習などを通じて見つけて、それを自分で考えてもわからないときはちゃんと質問してきます。

そして、自分に何が足りなくて、何をすればできるようになるかまで考えて勉強できています。

勉強が苦手で成績がパッとしない生徒の多くは、作業のことを勉強だと考えているように思われます。

問題を解くことや授業を聞くことそれ自体が勉強だと思っているわけです。

何が分かっていて、何が分からないのかを明確にしようともせず、だから何が分からないのかが分からないのです。したがって、質問も出ない。

何度も言いますが、わからない事を探し、わかるようにするのが勉強の本質です。

問題を解いても、授業を聞いても成績が上がらないのは本質がズレているからです。

あまり成績は芳しくないのに、質問はありませんと言っちゃうということは、ちゃんと勉強してませんと言っているのとほぼ同義です。

では、中高生の皆さん、台形の面積の公式がなぜ

(上底+下底)×高さ÷2

になるのかを解説してみてください。

できなければ、今まで何も考えてきていない確たる証拠になります。

少し考えればわかりますから。

これを読んでから考えているようでは、普段何も考えていないということですね。

読んでも考えない人よりは数倍マシですが。

とまぁ、日頃から自分で問いを立て、様々なことに疑問を持ち、それを深く理解していこうとする姿勢が大事になるのですが、桂塾では今授業が少なく、ほとんどの時間超少人数指導になっているので、実質いつでも質問できるようになっています。

ただ、こちらから質問を誘導することはしません。

あくまでも生徒さんが質問してこない限りは答えません。

当然ですね。

赤ちゃんじゃないんですし、自分の口がちゃんとあるんですから。

ここで間違った問題に対して、こっちから質問を誘導するようなことをしてしまうと、めでたく「指示待ち人間」の土台が出来上がりますね。

それはもう最悪です。

あと、何も考えないでわからないという生徒の質問にもお答えしません。

上にも書きましたが、白紙でわからないという生徒は受付拒否です。

自分でどこまでやって、どこがどのようにわからないのかを具体的に伝えてください。

問題を読んだけどまったく手も付けられない状態なのであれば、そもそもやる問題自体を間違えてます。

そのレベルにないということです。

もっと基礎的なことをやらないと。

無意味なプライドを振りかざして、中学生だから小学生の問題をやりたくない、高校生だから中学生の問題をやりたくないなどというわがままを言っていると、一生その底辺の点数で低空飛行できます。

プライドに溺れるあほですね。

桂塾に入塾したら全員テストをやって、自分の学力のところまで戻ります。

そこから組み立てなおさないと。

自分の今の学力を正確に把握して、やるべき部分から始めないと。

どこの塾に行ってもこの自分のできる学年まで戻るということをやらないんですから。

生徒が全員第一志望に合格できるようにと考え抜いた結果なので、ここにいればそれが当たり前の環境ではあるんですけどね。

後は皆さんがそれを上手に活用して成績を上げて、第一志望に合格してくれればいいわけです。

環境って大事なんですよ。

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小野桂史
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