1. 大事な所に線を引く。
    線を引いただけで脳が満足してしまう、つまり、線を引くことで覚えた、勉強した気になってしまいがちです。

    しかし、「重要な情報」を選別しただけでその情報自体が脳に刻まれるわけではないのです。

    結果どうなるかというと、重要用語を目に入りやすくするためにマークするはずが、線を引いていく行為自体を目的としてしまうという、「手段の目的化」になっていくわけです。よくいますよね、線引いただけで覚えることは全くせず、満足げにしてる人。

    あとね、教科書に載ってる事って太文字だけじゃなくて、前後の文脈とかまで全て大事なんですよね。

    それだけ覚えれば問題が解けるわけでもないので、線を引くなら、あくまで「目立たせてパッと探せるようにする」ための手段だという事を意識しながら、パッパと済ませちゃいましょう。その時間は作業をしているだけなので。
  2. 授業中にノートを取るのが忙しく内容が頭に入ってこない。
    ノートをとることに精一杯で授業内容に意識を向けるのが難しいということはありませんか?

    それは板書のレイアウトをそのまま真似しようとしたりしているからではありませんか?

    先生の書いた板書や解答をそのまま写していても、何も力にはなっていません。模範解答を写して解けるようになるのなら,勉強は要らないですよね。自分で手を動かし、頭を使って考えなければ、決して力はつきません。授業は自らの頭をフル回転させて受けなければなりません。

    つまりその場で国語を、数学を、英語を、物理を、化学をしなければならないわけです。

    そのとき大切なことは、黒板を写すことと、ノートをとることの違いをおさえることです。

    黒板を写すのは、自分で理解できているかどうかに関係なくできる、いわば作業です。 なんとなくわかったような気持ちにはなりますが、それだけです。

    そうではなく、授業中も自分で考え続ける。そして自分でわかったことや気付いたこと、自分の解釈や疑問に思ったことをノートしていくのです。

    もちろん時間に制限があるので、とりあえず写しておいて、あとで見直すというのもあるにはあります。

    しかしそれは一部であって、基本的にはわかったことをノートする。自分の予習した余白にわかったことを追記する。授業では黒板を写すのではなく、ノートをとらなければならないのです。

    自分で考え、分かったことをノートすることで、大切な所を見抜く力、それを論述する力がついていくのです。それ自体が論証力を養成するトレーニングなわけです。

    先生の板書が読みにくい、早く黒板を消すと文句をいう人をみかけますが、そもそも板書されたことは写すものではないのです。
  3. 授業を聞けば成績が上がると思っている。
    それで仮に成績が上がるとしたら、九州は最強なはずですよ。何故なら他の地域にはない「課外」があるわけですから。1日に8時間も9時間も授業する所は他にありません。僕が教えてた京都や大阪や奈良の子達は、1限が9時過ぎスタートで、15時過ぎには学校終わって16時からの塾の授業に来てましたからね。

    で、現実はどうでしょうか?授業が最低限しかない関西の高校よりも、九州の高校、特に宮崎県北の高校のレベルがずば抜けて高いとはお世辞にも言えないと思いますが。

    当然です。話を聞く、授業を受けるというのは基本定期にはインプット、つまり受け身であり、インプットだけでは内容は定着しないからです。でも、伸び悩んでる人はこれだけで成績が上がるものだと勘違いしている人が多いです。

    実際はそれをアウトプットして、授業で得た知識や概念を自分のものにしていく時間が必要なわけです。それが復習や演習ですね。問題を解くのと同時にそれらを確認するのです。要は、内容の定着させるためには自分の勉強時間が必要不可欠なんです。

    でも、学校で毎日毎日そんなに授業受けて、さらに塾でも授業を受けて、いつ自分で勉強するんですか?自分で勉強しないで授業を聞くことで勉強したつもりになりたいということなんですかね?勉強はその本人がやるべきものです。自らで「しこう」することが真の学力を身に付ける正しい方法です。

    授業を受けているときにこれができている人は伸びるでしょうね。「内容を聞く」という受身の行動だけでなく、「頭の中でそれを批判的に吟味し、手を動かして先生の言ってることがどういうことかを理解しようとし、分かったことや気付いたことを自分なりの言葉でまとめていく」という主体的な行動を自然とできている人。

    こういうふうにして授業が受けられれば授業の多い環境であってもまだマシになれるはずです。
  4. ノートを綺麗に取ることが大事と思っている。
    典型的な「手段の目的化」です。ノートなんか自分が後で見て読める字であればそれで十分なんですが、こういう人たちはノートを綺麗に取る事が目的になってしまっているわけです。そもそも何故ノートを取っているのか。

    色々と考えられると思いますが、主な理由としては、上に述べたように、後で見直すためであったり、思考を深めたり、その場で考えをまとめて書くことで論証力を高めるためなどが挙げられるでしょう。

    常に何のためにその行動をしているのかを意識することです。
  5. はじめから全科目満遍なくインプットしようとする
    これは言い換えると「初めのうちは満遍なくやらない」ことが吉という意味です。

    これ、多いですよね。全体的に点数上げるって子。

    失敗しますよ?

    まず得意を伸ばすんですよ。中学3年生の実力テストを例に話しましょう。まずは2科目とかに決めて、その科目は90点取るように勉強してください。

    ほかの科目は撃沈するかもしれませんが、まんべんなく勉強すると、全科目撃沈の可能性が高まります。

    すると何が起きるかというと、勉強しても点数取れないと思ってしまうんです。要は、勉強に対する心理的ハードルが上がってしまうわけです。

    そしたら勉強をしなくなりますね。そうでないにしても、モチベーションは低くなってしまって、精神的にも苦しくなります。結果、中々長期間に渡って継続することが難しくなってしまう。よって、まずは得意科目を誰にも負けない科目にする。

    そこからです。

    まんべんなく全部80点取っても400点。社会と理科だけ95点、数学と国語で80点取ってしまえば英語が50点でも400点です。

    結果的に同じ点数ですね。

    全部80点よりも、誰にも負けない科目があることで自信をもてます。まんべんなくやることは悪いことではないですが、中々うまくいきません。特に勉強を本格的に始めた初期段階では。

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小野桂史
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