1. わからない問題があると、すぐに答えを見る
    自分で考えることはしなくなるわけです。頭を使わないので、賢くなることはありませんね。結果が出ない人は頭を使わない、脳への負荷の低い勉強をしているということです。

    よく、「5分考えても全く分からなかったら答えを見る」という方法をみかけますが、それは、数ヶ月後の試験、3日後のテストなど、短期間で成果を出さないといけないときの方法です。

    その勉強をすることによって、深い思考力、洞察力、判断力、思考の独創性(オリジナリティ)、忍耐力、誠実さなどをつけることはさらさら求められておらず、うわべだけの成果(数字)が出れば、学んだことはすっかり忘れても全く差し支えない、といったときの方法です。

    これから人生を歩んでいくにあたって、日々の勉強を通じて、まさに今言った、深い思考力、洞察力、判断力、思考の独創性(オリジナリティ)、忍耐力、誠実さといったものを身につけてほしい中高生には、最も不適です。

    勉強を氷山に例えると、問題が解けるかどうかは氷山の一角にすぎません。「1問1問じっくり考える」勉強をした場合、生徒は様々な経験をしています。考えるのはもちろんのこと、我慢したり集中したり、解き方を発見したり、それを楽んだりしています。そしてそれが集中力になり、勉強の楽しみになり、次の学習の意欲になります。

    それに対して「5分考えて解き方を覚える」勉強の場合は、生徒の経験は解法の丸暗記の一点のみ。とても貧弱です。これでは忍耐力・集中力も育たず、勉強自体も楽しくありません。

    さらに、こうした勉強の場合、何問解こうが、共通の経験がありません。解き方が頭の中に点在するだけで、相互に関連し、結びついていない状態です。これでは記憶は定着しません。入試までに覚えるべきパターンが100あるとすれば、100のパターンを丸暗記しないといけません。

    それに対して、「1問1問じっくり考える」勉強の場合、たとえ問題数が少なくても、経験が大きければ大きいほど、共通点が生まれます。そして次にこの共通点を核にして、1人で解ける問題がどんどん増えていきます。

    長い目で見たときに、しっかりと自分の血肉になる方法で学んでいくべきでしょう。
  2. 自分のやり方が不安なので、解答解説を横において問題を解く
    これもね、結局自分が分かっている自信がないからすぐ答えを見ちゃうんですよね。で、ちょっとでも解答とやり方や方向性が違うと、すぐに自分の考えを捨てて解答のやり方でやろうとするか、答えを写し始めるんです。それで賢くなると思ってるのが凄いですよ。
  3. わからない問題は手を動かさない
    そもそも、パッと見て解ける問題をやっても仕方ないでしょう。真に一生懸命取り組むべきは、一見したときにすぐには分からないような問題です。

    そういう問題に対してどうアプローチしていくのか、それを色々と試してみることが本当の勉強であり、やるべきことです。

    まず、何が分からないのかを明確にする。

    言葉の意味が分からないのか、状況が複雑すぎて分からないのか、抽象的すぎてわからないのか。

    言葉の意味は教科書で調べる。状況が複雑すぎてわかりにくいなら、短文に区切って分割して考え、書いてあることが図示で直観的に表せないかを考えてみる。抽象的でわかりにくいのであれば、具体例で考えてみればいい。

    そして、分かったことは順次メモしておく。

    そうやって徐々に徐々に、問題文やどう解き進めればよいかの全容が見えてくるものです。

    これすらやらないのは、ものを考えるスタートラインにも立てていません。
  4. 間違えた原因を安易に「ケアレスミス」だとしてしまっている
    計算ミスとか、典型的な例ですが、これも分析してみると様々な事が考えられますよ?

    8割取れもしないでケアレスミスとか言わないこと。ケアレスミスではなく、演習や分析が足りないだけです。

    プラスとマイナスを間違っただけ???

    まだあなたはプラスとマイナスを間違うレベルなんです。

    誤っているものを1つ選べと言われているのに正しいものを選んで、見てなかっただけ???

    普段から日本語をちゃんと読めていない&知識が十分でないから、間違っているものを選べと言われているのに、何個もある正しいものを選ぶんですよ。

    ただの計算ミス???

    ただの計算すらもまだできないレベルということです。

    ケアレスミスってとっても素敵な魔法の言葉ですね!みんなそれで片付けてしまえる。そしてそれを今度は気をつけようねで終わらせてもらえる。

    気を付けるだけでできるようになるかい!!

    なるわけない。だからその状態なんでしょ?

    親もケアレスミスがなければ…とかいっちゃうし。ケアレスミスがあると言っていいのは8割以上の人だけです。それ以下はそのレベルになかっただけの話です。

    計算演習が足りないから計算ミスするし、普段から日本語をちゃんと読めていない&知識が十分でないから、間違っているものを1つ選べと言われているのに他に何個もある正しいものを選ぶし、プラスとマイナスの概念をわかっていないから、それを間違うだけです。

    決してケアレスミスではありません。力がないだけです。

    それをまず自覚してください。

    なにをケアレスミスとかいう都合のいい言葉で自分を慰めようとしてるんですか。まだまだな自分をまず認めて、そこから這い上がるしか成績アップする方法はないんです。

    自分を知ってください。そこがスタートラインです。
  5. 図や表やグラフを書けない・書かない(主に数学・算数・理科)
    問題文の内容や考えていることを図や表やグラフで表現することができれば、初めて見る問題でも状況を理解し、解法を発見しやすくなります。図や表やグラフを書いていないのに「わからない」と手が止まってはいませんか?

    これらを書くことでその問題がほとんど解けてしまうこともあります。

    図や表を書くことのメリットは視覚的に状況を把握でき、計算量が一般に少なくてすむというところにあります。

    問題文が長くて文章のまま理解することが難しいなら、図解して何を言っているのか理解することに努める。視覚的に情報を捉えられないかを試してみる。

    伸びない人はこれすらもやらないんです。
  6. 計算が面倒だから、「後は計算するだけ」というところまで考え、計算しない。
    そんなことでは計算力は一生身に付きませんね。実践なくして習得なし、です。入試においては、正しい答えを出せていることが大事になります。特にマーク式の試験ではそれが全てですよね。

    高校数学でいうと、数学IIIでは計算力の有無が非常に重要になります。

    微積分の計算は、かなりハードな計算をすることが多く、それを正しく実行できるかどうかということ自体が極めて大事なことなのです。

    また、一見ハードな計算に見えても、関数の特徴や式の特徴をうまく見つけることで計算が非常に楽になることも多々あります。

    「ただの計算」の中にも創意工夫をする余地はたくさんあるということです。
  7. たくさん問題を解けば成績が伸びると考えている
    たくさんの(多種類の)問題を解くことによって成績が上がるわけではありません。問題を解くことの真の意義は、見直しをするということは一通り問題・解答・正答に目を通すことではありません。なぜ間違えたか、どう考えたら正解できたかなどを考えることができて初めて見直ししたとえます。
  8. 問題を解いた跡や問題集の解説が綺麗
    これはコミュニケーション編の8.と全く同じ話です。成績が伸び悩む子の解いた跡や解説を見てみると、まぁきれいです。
  9. 解説に書いてある知らないことや関連事項を調べない 
    解説を読んだときに、知らないことをそのままにしていては成績は伸びにくくなっていまします。知らないことや関連事項などを資料集や辞書を使って調べることで理解が深まります。
  10. 理解したことを自分で再現しない・解答解説を見聞きしただけで終わる
    解説を読んだりして理解したあとに、理解したことを自分の言葉で言い直したり、自分で解けるかどうかを確認していますか?

    これは授業を聞いて分かった気になっているという話に通じますが、解答解説をただ読んで、「分かった」という状態に留まっているわけです。「分かった」と「説明できる・実際に解ける」状態には大きな乖離があります。で、後者ができなければ何の意味もないわけです。  

    成績が伸び悩む人は、ひたすら教科書や解説解答を眺めて理解しようとします。そして、何となーく自分でわかった気、できる気になってそのまま終わるんです。一方で着実に知識を自分の物にする人はとにかく手を動かして書き続け、考える前に書く、書きながら考え、理解する。そういう癖が自然と身についています。

    前者のように入力器官を眼だけに頼っては、どうしても動物レベルの知的処理にとどまってしまいますね。人間にしか出来ない高度な知的処理は、手という入力器官を介した方が効率的です。要するに、手を動かしながら学んでいく方がはるかに脳が活性化し、理解度や定着度も跳ね上がるということです。

    https://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/about/booklet-gazette/bulletin/629/open/629-02-1.html

    自分で表現できなければ、まだ内容を理解したとはいえません。「わかった」から「自分1人で(説明・解くことが)できた」にしておきましょう。
  11. 答えを見ながら勉強しているが、自力で解いているように丸をつける
    それはただ作業をしているだけになっていることに早く気付きましょう。辛辣なことを言うと、「勉強しているふりをしているだけ」です。だってこれ、ただの写経ですよね?異論がある人は、じゃあ一体どの部分を自分の頭で考えたのかを教えてください。

    結局、答えを見るということは、自分の頭で考えて、手を動かして色々試すという、学習に最も大事な「しこう」の過程を一切放棄しているわけです。これは脳に全く負荷がかかっていないので、当然賢くなることはありません。自分で考えるという訓練をせずに自分で考えられるようになることは決してありません。

    また、解答を見ながら解いているのに、さも自力で解いたかのように書くと、自力で解ける問題なのかそうでないのかわからなくなってしまいますよね?
  12. できなかった問題を記録しない
    一度解いた問題を再度解く必要があるか一目で判断できますか?何回も間違えているのはどの問題かわかりますか?

    問題を解くことの大きな意義は、できる問題とできない問題を分類することがです。できない問題をできるようにすることで成績を伸ばすことができます。

    よって、自分のできなかった問題をピックアップし、なぜできなかった・上手くいかなかったのか、その原因の分析をすることは勉強の定石になります。
  13. 語句を何回も書きまくって覚えようとする
    このデメリットは、「覚える」ことではなく「何回も書く」こと自体が目的となりやすいことにあります。書く作業に集中してしまうがゆえに、意味や背景を十分に理解できないのです。

    書く回数は重要ではありません。五感を使うことがより有効です。たとえば、目で語句を読みながら、実際に自分の声で発声すると、「視覚情報」と「聴覚情報」が一致して、記憶が確実なものになりやすいです。

    ほかにも、ランニングしながらポッドキャストを聞いて覚えるのも効果的です。視覚・聴覚だけでなく、運動による触覚的体験も重なり、より脳が刺激され、記憶に残りやすくなることはよく知られています。

    ぜひ五感を使いながら、覚えてみることを試してみてください。

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小野桂史
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